うつ病とは?

厚生労働省のサイトには以下のように記述されています。

うつ病は、一言で説明するのはたいへん難しい病気ですが、脳のエネルギーが欠乏した状態であり、それによって憂うつな気分やさまざまな意欲(食欲、睡眠欲、性欲など)の低下といった心理的症状が続くだけでなく、さまざまな身体的な自覚症状を伴うことも珍しくありません。つまり、エネルギーの欠乏により、脳というシステム全体のトラブルが生じてしまっている状態と考えることもできます。 私たちには自然治癒力という素晴らしい機能が備わっていて、通常はさまざまな不具合を回復へ導いてくれます。私たちは日常生活の中で、時折憂うつな気分を味わいます。不快な出来事によって食欲が落ちることもあります。しかし、脳のエネルギーが欠乏していなければ、自然治癒力によって、時間の経過とともに元気になるのが通常です。時間の経過とともに改善しない、あるいは悪化する場合には生活への支障が大きくなり、「病気」としてとらえることになります。そのため、仕事・家事・勉強など本来の社会的機能がうまく働かなくなり、また人との交際や趣味など日常生活全般にも支障を来すようになります。”

"こころの耳 働く人のメンタルヘルスポータルサイト". 厚生労働省.

http://kokoro.mhlw.go.jp/about-depression/ad001/, (参照 2018-09-15)

 

うつ病の定義としては、

・抗うつ感 ・楽しみ喜びの喪失 ・食行動の異常(食欲がないもしくは食べ続ける)

睡眠障害 (不眠もしくは過眠) ・動きが鈍い(落ち着かない、焦燥感)

・疲れやすくだるい 気力がない

・無価値観 過度の自責感

・集中力が低下 思考力の低下

希死念慮

上記5項目以上について常に2週間以上あてはまる。

 

 

つまり、憂鬱な症状が続き、人によっては睡眠や食欲、性欲などに影響が出る病気をうつ病としています。

 また、近い病気としては適応性障害というものがあります。適応性障害は環境(職場や学校など)が原因でうつ状態となる病気です。特定の環境から離れることで症状が改善します。

うつ病診断

 

うつ病かなと思った方は以下よりうつ病診断をしてみてください。

以下、塩野義製薬社と日本イーライリリー社のサイトで診断してみてください。

<http://utsu.ne.jp/self_check/>

うつ病の傾向があれば、すぐに病院を受診してください。

 

 

 

 

うつ病の治療

少しでもうつ病の可能性がある場合は、精神科もしくは精神内科のある病院に行ってください。

 

うつ病の主な治療方法は以下があります。

抗うつ薬による投薬治療

・カウンセリング・認知行動療法

作業療法

・入院治療

・復職支援(症状が良くなり安定した場合)

 

抗うつ薬による投薬治療

基本的には抗うつ薬による投薬治療が行われます。(最低限の治療です。クリニックなどでは投薬治療のみしか行っていない場合もあるようです。)また、不眠や過眠状態の場合は睡眠剤を処方される場合があります。

 

カウンセリング・認知行動療法

望ましいのは投薬治療に加え、カウンセリングや認知行動療法など、うつ病の原因となるストレスを緩和することです。カウンセリングでこころのもやもやを和らげ、認知行動療法でストレスを強く受けないような物の見方を植え付けます。投薬治療で症状が改善するものの原因となったストレスをそのままにしておくと回復が遅れます。そのため、カウンセリングや認知行動療法も併せて受けられることをおすすめします。カウンセリングナースが行う場合と、臨床心理士が行う場合があります。

 

作業療法

症状が安定してきた場合、作業療法に移ります。作業療法は、日中の活動を確保することと対人コミュニケーションの改善を目的に行われます。モノづくりや陶芸、音楽療法、スポーツ療法などがあります。作業療法士のもと行われます。

 

入院治療

入院施設がある病院では入院治療を進められる場合があります。

症状にもよりますが、入院治療をおすすめする場合があります。

理由は自殺防止と早期の回復です。自宅にいるよりも入院治療の方が早期に回復できます。私が入院していた病院では入院期間は最大3か月と決められており3か月後には大抵の方が退院し社会復帰されていました。

保険に入っていなければ入院には多額の費用がかかる場合がありますが、早期に回復できるため収入が減る分や回復後のことを考えると入院治療が良いと言えます。

 

復職支援

病院によって異なりますが、長期間療養された場合の復職のために復職支援を設けている病院があります。病院にない場合は地方自治体が指定した機関によって行われている場合があります。支援内容は、病院によって異なりますが主には復職先の病院との調整、職場を想定したロールプレイング、職場復帰のための(リハビリ)デスクワークがあります。復職支援は社会精神福祉士が行います。

 

 

うつ病の原因

うつ病の原因は大きく分けて3つあります。

・遺伝性のうつ病

・環境因や性格因によるうつ病

・脳疲労によるうつ病

 

遺伝性のうつ病

 

環境因や性格因によるうつ病

環境因

ストレスを多く受ける環境にいることにより、ストレスが蓄積されうつ病になるケースです。ストレスを多く受ける環境は、クレーム対応や無理なノルマを課せられるなどのストレスの多い職場環境や、ストレスの多い家庭環境などが挙げられます。

改善策としては、環境調整によりストレスの少ない環境に移ることや、認知行動療法などによりストレス耐性を高めることが挙げられます。

 

性格因

マイナス思考や、自責感、完ぺき主義など、自らを追い込み、ストレスをため込んでしまう場合を性格因と呼びます。

改善策としては、認知行動療法によって自らの思考の癖に気づき、ストレスを受けにくい考え方を癖づける方法があります。また、一人で抱え込まないために相談をする習慣をつけましょう。

 

脳疲労

脳疲労とは

ストレス多過(情報過剰)により脳が正常に機能しなくなった状態です。その結果、五感と認知に異常が起こり、うつ病(や生活習慣病)を引き起こします。

詳しくは脳疲労の項目をご覧ください。

 

 

 

うつ病を再発しないために

うつ病は再発率が高い病気です。しかし、なぜ自分がうつ病になったのか原因を分析し、再発防止策をとれば、再発のリスクを下げることができます。

自ら原因を探し、対応策をとることもできますが、なかなか難しい面もあります。

医師やカウンセラー、社会保険福祉士と相談し、自分がうつ病になった原因と再発しないために今後何を変えていくのか決め実行していく必要があります。

 

 

 

うつ病にならないために

うつ病にならないためには、うつ病の前兆となる症状が現れたら対処を始めることです。

ストレスをためないようにしたり、ストレスがどうしてもかかる環境であれば誰かに相談し必要であれば早めに環境変更を行うのも一つの手です。また、ストレッチやヨガ、深呼吸など体をリラックスさせることで、ストレスを流しうつ病にならないようにする方法もあります。しかし、恒久的にうつ病にならないためには過度なストレスを与えている根本的な原因を改善する必要があります。根本的な原因の解決としては周りへの相談や環境調整などがあります。会社には産業医がありますので産業医に一度相談してみるのも一つの手です。

 

 

 

 

ストレスとの付き合い方

ストレスは誰もが日常生活を送るうえで受けるものです。

しかし、過度なストレスを受け続けると人はうつ病になってしまいます。どうしてもストレスを受ける環境にいる場合はストレスとの付き合い方を身につけなければなりません。

うつ病にならないためにはストレスを溜め込まず受け流すことが必要です。

 

ストレス解消方法はさまざまなものがあります。

適度な運動

散歩

ヨガ

ストレッチ

音楽

お出かけなど

 

一番いいのは、時間ごとにストレス解消方法の引き出しをもって置くことです。

 

5分ほどの短時間であれば、

・深呼吸 ・できる範囲のストレッチ ・マインドフルネス

 

30分から1時間であれば、

・散歩 ・適度な運動 ・ストレッチ ・ヨガ

 

半日であれば、

・お出かけ ・公園でゆっくり過ごす 

 

一日であれば

・遠出してみる 

 

複数日であれば、

・旅行 ・帰省

 

ストレスを感じているときや気分がすぐれない場合は、適度にストレスを受け流す行動を取り入れましょう。

 

 

 

回復方法としてのマインドフルネス

マインドフルネスとは、今のありのままを感じ自分に気づくことです。

薬だけに頼らない方法としてストレス症状の低減や再発予防に活用されています。

 

マインドフルネスといっても様々なものがあります。

ここではストレスを受けた時や、心が「もやもや」しているときの対処法をご紹介します。

 

ストレスを受けた時の対処法

ストレスを受けた時には、頭のなかでさまざまな言葉がつぶやかれ葛藤が生まれます。

この時に、その言葉や葛藤に対して否定も肯定もせずにありのままを「観察」しましょう。

もし、観察しようとして、それでもなにか否定しているような場合は、それも観察してください。

 

自然と頭の中のつぶやきがおさまってきます。

 

日常で簡単にできるマインドフルネス

外部の刺激に意識を集中するマインドフルネスを紹介します。

視覚、聴覚、味覚、感覚、嗅覚どれで行っても構いません。

外部の刺激に集中することで頭のなかのつぶやきをやめさせることができます。

 

視覚の例だと、目の前にあるものをとことん観察します。

スマートフォン観察の対象とする場合には、どんな形をしているのかどんな色をしているのかそれを見てきづいたことや感じたことはあるか、など視覚から感じる外部の刺激に集中します。時間の決まりはありませんが、私の場合は3分ほど行います。

 

聴覚の例だと、何の音を聞くか決めとことん聞きます。

クーラーの音を聞く対象とする場合には、どんな音がしているのか、どんなリズムで音がしているのか、音から何を感じた、など聴覚から感じる外部の刺激に集中します。

 

味覚の例では、普段の食事の際にテレビやスマートフォンを見るのをやめ、

食事がどんな味がするのかに意識を向けてみてください。併せてどんな見た目なのかを感じれたら視覚の刺激にも集中することができます。

 

このようにマインドフルネスは日常の空き時間で簡単に行うこともできます。

 

 

回復方法としての座禅

 

座禅にはリラックス効果があります。

書店に行くと、座禅でうつ病が治るという本もあります。

私の経験からしても、座禅はうつ病の症状改善に効果があります。

 

座禅について

座禅というと「お寺のお坊さんが修行のために行うもの」「つらいもの」という見方をされる場合があります。最初は、つらいかもしれませんが座禅を重ねていくと心的に日常が楽になります。お寺のお坊さんの声としても、座禅をすると日常が変わるのでぜひ1日10分でも良いから実践してみてくださいと言われました。

ストレス解消としては、安倍総理やスティーブジョブズなど政界財界の方が実践されています。

 

座禅の方法

座禅の方法は宗派によって異なります。

近くのお寺で座禅体験を行っている場合はそちらへ参加してみてください。

うつ病の方は、医師と相談のうえ座禅を行ってください。

 

座禅は最初1か月あまり効果を実感できない場合があります。

継続することで効果が高まり、リラックスしている自分を実感できます。

 

ここでは私が教えていただいた座禅の方法をご紹介します。

 

用意するもの

・座布団(もしくはクッション) ・タイマー(スマートフォンのタイマー)

 

時間帯

朝や寝る前をおすすめしますが、基本的にはいつ行っても大丈夫です。ただし、食べ物を食べた後に行うのはNGです。

 

服装

座禅を行うときは服装は締め付けのない服装で行ってください。

座禅中は、腕時計や、眼鏡などは外して行ってください。

 

場所

静かな場所で行うようにしましょう。座禅に集中するためです。

畳の上か、カーペットの上などで行います。板張りの上だと足が痛くなってしまいます。

 

姿勢

クッションの上にお尻をのせます。

背筋を伸ばし、おなかのあたりで手を重ねます。

足は胡坐(あぐら)を組むか、写真のように、足を重ねます。

写真のようになります。

 

座ることがつらい方は、椅子に腰かけ背筋を伸ばした状態でおこなっても効果があります。

 

座禅のやり方

座禅を組んでいるときは、

目は薄目状態、開いているか開いていないかという状態にします。

1.5m前を見るようにします。

 

呼吸は深く吸って、ゆっくり吐くようにします。なるべく長く時間をかけて吐くようにします。

 

この時、音は絶対に立ててはいけません。また、唾を飲み込むのもNGです。音が立ちます。

 

呼吸をするたびに、1、2、3、4、と頭の中で数えます。吸って、吐いてで、1回です。数が多くなってくると何回目かわからなくなります。その時は、1から数えなおしてください。

 

時間

20分間行います。はじめは20分がとても長く感じます。

そんな方は、10分からでも大丈夫です。

 

大体5分くらいすると、効果が出ていることを感じ取ることができます。

 

 

 

 

 

 

回復方法としての深呼吸

深呼吸だけでもリラックス効果は十分にあります。

また、ある状況では緊張状態になるなど、無意識下で起こる緊張について、緊張状態のときに深呼吸しリラックスすることで無意識下の緊張を緩和することができます。

深呼吸には行えば行うほど効果が高まります。毎日決まった時間に行うことでよりリラックス効果が高まります。

 

深呼吸の方法

10秒息を吸い、2秒息を止め、10秒息を吐く

これを繰り返すだけです。

 

可能な方は、吐く時間を伸ばしてください。無理のない範囲で呼吸をゆっくりにすることでより効果が高まります。

 

仕事の合間に深呼吸を行う場合は、

深呼吸をすると頭がリラックスした状態になります。刺激を入れ脳を働かせれるようにしてください。

方法としては、深呼吸した後に手を開いたり閉じたり(グー⇒パー⇒グー⇒パー)と脳に刺激を与えるだけです。

 

 

 

 

 

回復方法としてのヨガ

ヨガによるリラックス効果により症状を和らげます。

交感神経が活発になっている場合、緊張状態になります。逆に副交感神経が活発になっている場合にはリラックス状態になります。

 

ヨガのやり方は、書籍やサイト、Youtube動画にあります。

以下に参考になる情報を記載します。

 

Youtube

自律神経の調子を整えるリラックスヨガ! 初心者の方にもおすすめ☆

<https://www.youtube.com/watch?v=hZkOVN8qT8I>

 

 

 

回復方法としてのストレッチ

ストレッチもヨガと同じように、交感神経による緊張状態から、副交感神経によるリラックス状態へ変える手段の一つです。

 

筋肉のあらゆるところを無理のない範囲で伸ばしてみましょう。

呼吸は止めずにゆっくり呼吸しながら行ってください。基本は吐くときに伸ばすことです。

ストレッチをするおすすめの時間帯は寝る前です。10分ほどストレッチをして寝ると体のメンテナンスにもなりますし、副交感神経が優位な状態で寝れるので寝付きやすくなります。

 

ストレッチの方法は、書籍やサイト、Youtubeに情報があります。

参考となる情報を以下に記載します。

 

Youtube

しなやかな体を作る毎日の9分間ストレッチ【柔軟性を高めて代謝UP】

<https://www.youtube.com/watch?v=LXzpn0jN8Bg>

 

 

 

 

回復方法としてのマッサージ セルフマッサージ

脳機能の低下の一つ原因として、肩や首の筋肉が固まってしまい血流が悪くなることが挙げられます。

脳機能が低下するとストレスの原因となったり、うつ病の間接的な原因となる場合があります。

体が心に影響するように、心が体に影響を与えてしまうため、うつ病の方は体がこわっている方が多くいらっしゃいます。

心の健康のためにも、体からよくする必要があります。

 

方法は、近くのマッサージ店などに行くことや、マッサージチェアに座るだけでも効果はあります。自分で肩回りや首回りをマッサージすることもできます。

 

マッサージやセルフマッサージの情報は、書籍やサイト、Youtube動画にあります。

以下に参考になる情報を記載します。

 

Youtube

座って行う肩甲骨はがし☆簡単!3分肩こり解消

<https://www.youtube.com/watch?v=2U26UYLII9E>

 

 

 

うつ病から復職する場合

うつ病の症状が改善し、医師の許可が出た場合は復職の準備を始めましょう。

 

うつ病になった原因が職場にある方は、職場に復帰することに対して精神的につらい場合があります。そういった場合は無理せず、産業医や上司、主治医と相談して決めてください。